スタッフコラム

金融危機とアメリカ映画

2009/02/01 — 第198号

アメリカ映画の低調ぶりは日本での「入り」の悪さに限らないようです。高騰しすぎたスターのギャラ、ヒット狙いの為に無駄に大作を装いCGなどで高騰する制作費。二番煎じのシリーズ物やリメイクの乱用、リスクを恐れ毎度同じ俳優ばかりを使い若手を育てることを怠ったことなど、観客に飽きられ、自らの首を絞めるようなことを続けてきた結果ですが、金融危機のせいでさらに冷え込む恐れがあります。勿論アメリカにはこれを機に「低予算でもいいものを作る」という状況に変化していくぐらいの逞しさはあるはずなので、今後に期待が持てることでしょう。●ただ個人的には特撮とか大作とかも嫌いではないので、そういう映画が減ってしまうのは残念です。しかしもっと問題なのは現在大作とされる映画のCGでも技術的に飽和状態のような感があることです。何を見ても「まぁCGならこれくらいの映像が作れるのだろうな」で終わってしまいます。見慣れすぎているせいもありますが、技術的な問題が大きいように思います。技術にはどういう画で何を見せるか(あるいは見せないか)という映画を作る上での技術(演出)と、ハードやソフトなどの純粋な技術の二つがあります。前者は「腕」や「工夫」で乗り越えられる技術ですが、後者は金をかけた大作でも「他と似たような画(質感や動き等)」を見せられてしまう状況なので、本当に「技術的」なブレイクスルーがないと駄目なような気がします。●無論改善されていく事だとは思いますが、ハリウッドではブレイクスルーは3Dだと思っているようなので、私の思惑とは違う方向へ向かいつつあるような気も・・・・・・。ここはやはり脚本や役者の魅力で魅せる低予算の映画に期待、ということでしょうか。

— 梅原浩二 検索