スタッフコラム
CG映画雑感
2009/06/01 — 第202号
CG映画の先駆け、金字塔となった1982年のSF映画『トロン』。主人公がコンピューターの中の世界に迷い込むのですが、シンプルかつグラフィカルなコンピューターの世界は、当時のCG技術の限界を考慮した上で、最大限の効果を見せるようシド・ミードによりデザインされました。当時生物や自然現象など複雑なものを描くのはほぼ困難(かつこの映画では不要)なのであのようなデザインとなったのですが、引き算の美学を有し、いまやクラシカルな趣さえ感じられます。●最新のCGの成果『ベンジャミン・バトン 数奇な人生』ではブラッド・ピットの容姿を老人から若者まで変化させました。世代ごとに首から下を別の役者に演技させ、後でブラッド・ピットの顔にすげ替えていました。といっても彼の顔を元にしたCGの顔。ついにCGが生身の人間の役にとって替わるようになりました。が、製作には様々な表情、角度から撮影された膨大な量のブラッド・ピットの情報を使い、更にコンピューターに作らせた動きのままだと不自然な為、アニメーターが自然に見えるよう瞼や顔の筋肉の動きにかなり手を入れているようで、「生身の人間がCGに置き換わる」なんてことはそう簡単にはいかないようです。しかし「不気味の谷」(酷似してくるとちょっとした違いにより不気味に感じる現象)を乗り越えた初の映画として記憶されることでしょう。(別撮りした顔をそのまま使えないのは現場のカメラも胴体の役者も常に動いているため)●さて『トロン』の続編『TRON2.0』の製作が発表されました。CG技術は82年の当時から随分遠くに来てしまいましたが、前作のシド・ミードデザインの「味」がなくならないことを切に祈ります。
— 梅原浩二 検索
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