スタッフコラム
寅さん再入門
2020/08/01
中3から高1にかけてテレビで放映された「男はつらいよ」全話放映を家族と見ました。1年半ほどの間寅さんをみるのが習慣になっていたので、とらやや柴又の風景は私の少年期のころの風景となかば同化しています。放映後の山本晋也と渡辺俊雄のレビュートークも楽しかった記憶(今おもうとそれが軽い日本映画入門になっていました)。
当館の寅さん特集のチラシにはゲスト出演の俳優陣も掲載されていますが、子どものころは日本映画史に無知だったので、田中絹代も嵐寛も知りませんでした。今振り返ってシリーズの出演陣を見ると、如何に豪華だったかが理解できます。今回の特集ではそんなゲスト陣の演技にも注目してみたいと思います。
8月の中旬には恒例の戦争・社会派映画が上映されますが、「男はつらいよ」の世界の人々も戦時中および戦後の混乱期の体験があります。作品設定では寅次郎も1950年に家出し、社会のグレーゾーンを生き延びてきた人です。世代的に当たり前のことですが、これも子どものころにはなかった視点です。
「男はつらいよ」はもともと安藤昇の原案らしいですが、それが本当の話なら実際のやくざだった安藤昇の周囲にも、寅次郎のような陽気な的屋の青年がいたのかもしれません。強面な面々相手に笑いを取っていたのかと妄想が膨らみます。
わたしの母は高校生の頃(1976年頃)、横浜のバス停で寅さん姿の渥美清さんに話しかけられたことがあるらしいです。懐かしそうに話す母の話をよく聞いていたので、平成生まれの私にも寅さんは親戚のオジサンのような身近な存在になっています。今回の特集で代表作を見直して、山本×渡辺の寅さんオタクトークが書籍化されているらしいのでそれもチェックし、今年の夏は寅さんに再入門してみることにします。
— 笠原伊織 検索
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