スタッフコラム
戦後技術的初物映画たち
2011/10/01 — 第240号
日本初のカラー劇映画と言えば『カルメン故郷に帰る』(1951松竹)が有名でお馴染みですが、他にも初物をいくつか。日本初のカラータイトル映画『11人の女学生』(46東宝映画)、第1回フジカラーフィルム使用短編映画『胃癌の手術』(47武田薬品、名古屋医大)、日本初のパートカラー劇映画『新妻会議』(49東横映画)、日本初のカラーニュース『天然色フィルムへの期待』(50日本映画社)、立体映画トービジョン作品『飛び出した日曜日』(53東宝)、第1回さくら天然色フィルム/コニカラーシステム使用劇映画『日輪』(53東映初のカラー映画)、日本初のイーストマンカラー劇映画・大映初のカラー映画『地獄門』(53)そのほか「カラー」「ワイド」「立体」「音響」「香り」「体感」等の各技術の違いで列記すると初物は沢山あります。●大抵の場合技術とは発表された時点で完成されたものは少なく、安定し普及するまで試行錯誤の過程があります。また普及せずに廃れていったもののほうが多いのも世の常です。上記以外、東宝(53)新東宝(54)日活(55)とカラー作品は50年代半ばまでに各社出揃いますが、コストアップ等ですぐには普及には至りませんし、作品内容などでも積極的に白黒を選択する場合があり、大手でも60年代半ば過ぎまでカラーと白黒は共存していきます。また早くも53年に東宝が戦前から開発していた自前の技術の3D映画(10分足らずの短編)を始めますが、その後現れては消える立体映画ブームの先陣を切っただけで、技術的な改革の主流はワイド画面(スコープサイズ)へと移ります。●「3D映画の普及」というのが最近のトピックですが、「如何にもこなれていない感じ」が初々しいといったところでしょうか。
— 梅原浩二 検索
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