スタッフコラム
北野武アンコールに寄せて
2019/07/29 — 第365号
5月に行われたオールナイト【初期の北野武 35mmフィルムで堪能する不穏と暴力の刹那】はお陰様で満員御礼の完売でした。特に若い方に人気で、8/4(日)にはアンコールとして北野作品が昼の番組で組まれます。今回は『その男、凶暴につき』『キッズ・リターン』『HANA-BI』の三本立て。■ヤクザやチンピラを描きつつもその生態や心情を説明的に描くことはしない北野映画は、前提として若者も入門しやすいのかもしれません。その上「組織の中の個人」や「はみ出し者/アウトサイダー」や「法外での絆」というヤクザ映画的主題は、最近の『万引き家族』や『新聞記者』、この間の吉本騒動など最近の映画やニュースを見る限りでも、古いようでまだまだアクチュアルな主題が個別的には含まれているのだとわかります。■5月と8月の北野武番組の間に挟まれるように、7月には降旗康男監督の追悼特集が組まれ、高倉健らの出演したヤクザ映画もいくつか上映されました。とても名画座らしい偶然。毎日のように来ていただいている方にはミニ日本映画史講座のようなラインナップだったのかなと想像します。特集のトリを飾るのは高倉健と北野武(ビートたけし)が共演した『夜叉』(1985)。健さんが最後のヤクザ役(正確には元ヤクザ役)で、ビートたけしが初めてのヤクザ役で出演した作品で、この時にバトンが渡されたのかなと考えたくなります。『この男、凶暴につき』が公開されるのはこの4年後です。
— 笠原伊織 検索
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