スタッフコラム
がんばれ、日本映画
2004/04/16 — 第90号
「気になる日本映画達(アイツラ)2003」は、おかげさまでまずまず順調な入り。初日の黒沢清監督&青山真治督トークショーも盛況で、監督、それにお客様の皆様、ありがとうございました。■今年は早くもヒット作、傑作が数多く登場し、例年以上に賑わっている感じの日本映画界。その中でたまたま見た2作品がなかなか個性的で、次回の「気になる日本映画達」で上映したくなる内容だったので、ちょっとご紹介を。■岩井俊二監督の新作『花とアリス』。話は簡単に言うと、一人の男子学生と二人の女学生の、三角関係の物語。物の輪郭が背景に溶け込むようなビデオっぽい画面や、いかにも装飾的な音楽が耳につく点など、気になるところもある。が、しかし、そんなことはどうでもよい。映画の中の二人の少女の、一挙手一投足に至るまで、全てが愛くるしいことといったら。特に鈴木杏が素晴らしい。バネのある動作に、伸びやかで張りのある、ちょっと低めの中性的な声が、もう、ホント、たまらなく心地よい。■もう一本は『東京原発』。カリスマ都知事が東京に原発を誘致しようとする珍騒動。前半は、『12人の優しい日本人』を思わせるひねりの効いた愉快な会話劇を軸にしながら、日本の原発政策の問題点を浮かび上がらせる手際は上手い。後半、トラック輸送されているプルトニウムが核ジャックされ都庁に向かってくるあたりから、映画の息が荒くなり、最後の着地はちょっと乱れたか。惜しい。■いずれにせよ、いい脚本を丁寧にきっちり演出したということが十分うかがえる2本だ。でも次回の「気になる日本映画達」は来年。随分、先ですな。上半期、下半期で年二回開催というのは、皆様ならびに支配人、どうですかね?
— 矢田庸一郎 検索
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