スタッフコラム
映画と自転車
2004/09/01 — 第99号
映画と自転車と言えば『晩春』の原節子、『ニュー・シネマ・パラダイス』のトトとアルフレード、『プロジェクトA』のジャッキーのアクロバット、本格的なレースを扱った『アメリカン・ゼネレーション』や『茄子 アンダルシア』、またその名もズバリ『自転車泥棒』等々ありますが、具体的なお話をいくつか。
現在公開中の『茶の味』で主人公の少年が乗っている一風変わった自転車はタルタルーガのTypeFという自転車で、セミリカンベントと呼ばれる体を仰向けにして乗るタイプのものです。劇中ではかなり必死に漕いでいるので走行性能が悪そうに見えますが、実際には楽に走れる性能の良い自転車のようで、石井克人監督の御指名でこの自転車の登場と相成ったとの事です。映画史に出てくる最も古い自転車はリュミエールの世界初の商業映画『工場の出口』の群集の一部としての自転車ですが、最も自転車が活躍する映画はジャック・タチの「のんき大将」でしょう。スクリーン狭しと縦横無尽に走り回るプジョーの1911年製の自転車は撮影当時(’49)既にレア物で映画完成後プジョーが自動車と交換して欲しいとタチに申し入れ、そのお陰でこの自転車は現在もプジョーの博物館に保存されているそうです。また自転車で最も有名なシーンは『E.T』のクライマックスではないでしょうか? 監督が子役の少年自身に乗ってみたい自転車は? と訪ねたところ選ばれた自転車は日本のKUWAHARA製。E.T.はエリオット少年と共に日本製の自転車を月夜に飛ばせたのでした。
— 梅原浩二 検索
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