スタッフコラム
涙の理由は
2008/01/16 — 第180号
フィクションの世界のヒーローたちは問答無用の最終兵器を持っています。例えばウルトラマンのスペシウム光線。フィクション故にその威力の程は不明ですが、たいがいの怪獣はあの光線でイチコロです。これを避けて逆襲に転じるなど、良識ある怪獣ならできないことです。水戸黄門の印籠も然り。平成の世に暮らす我々には理解不能な「三つ葉葵の紋所がでたら、逆らっちゃダメ」という掟が、悪党どもには効力を発揮するのでしょう。■諺に“泣く子と地頭には勝てぬ”というものがあります。道理の通じない者と権力者に勝負を挑んでも、勝ち目はないという意味です。もうひとつ、我々オトコが勝てないものに、“女の涙”というものがあるのではないでしょうか。決まった時間帯に出されるスペシウム光線や印籠と違い、予測不能なタイミングで繰り出されるのが“女の涙”の特徴です。昔、数人グループでディズニーランドへ行ったときのこと。突然ひとりの女の子が泣き出して「もう帰りたい!」と言いだし、誰もその涙に抗えず全員で帰路についたことがありました。涙の理由も不明でしたが、その突然さにも驚かされたものです。■「河童のクゥと夏休み」を観て、とても印象的な場面がありました。息子が初めての一人旅に出る日。家の前から見送った母が涙を見せるのです。傍らの夫は涙の意味が分からず理由を訊くと、息子がこちらを振り向きもせずに角を曲がってしまったからだと答えます。私は、ヘェー女ってこういうことで泣くんだ!と感心したものです。鑑賞後に妻にそのことを話すと、その涙はよく理解できるというのです。この脚本を書いた男は凄い! というわけで、女の涙を解する原恵一監督のオールナイトは、2/2(土)。
— 関口芳雄 検索
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