スタッフコラム

名女優・高峰秀子逝く

2011/02/01 — 第224号

昨年の紅白も40%を超える高視聴率だったそうだが、その一方で女優・高峰秀子の訃報が流れた。享年86歳。亡くなったのは12月28日だが、マスコミで第一報が流れたのは大晦日の夜の事であった。◆その訃報を知らせるニュースでは「『二十四の瞳』の先生役などで知られる名女優が亡くなった」と報道されていた。高峰秀子といえば『二十四の瞳』の大石先生という方も多いのではないだろうか。◆1月4日の天声人語でもこの大石先生役についてのエピソードが紹介されていた。それは、「封切り後、本職の教師から多くの手紙が届いた。悩みを吐露し教えを乞う文面に、途方に暮れるばかりだった」というもので、役とのギャップに悩む事もあったそうだが、このコラムでは「間で人知れず格闘する誠実さは、隠し味のような魅力でもあったろう」と結ばれていた。◆その誠実さという魅力は、半生を綴った自伝『わたしの渡世日記』を読むとよく分かる。独特の観察力で書かれた文章は、気取らずあっけらかんとしていて誠実さが滲み出ているのだ。未読の方はぜひこの機会に読んでみて欲しい。◆なお、当館では3月に高峰秀子の追悼特集を上映予定である。訃報が流れたのがお正月の時期だったこともあり、追悼番組などは放送されず寂しい思いをした人も多いと思うので、この上映で盛大に送りたいものである。

— 後藤佑輔 検索