スタッフコラム
オリンピック後に観る「マーガレット・サッチャー 鉄の女の涙」
2012/10/16 — 第265号
ロンドン・オリンピックの頃、8月上旬号のこの欄にイギリス映画について書きましたが、半分以上を「マーガレット・サッチャー 鉄の女の涙」に費やしてしまいました。その時点では新文芸坐での上映予定はなかったのですが、11/2(金)・3(土)の2日間の上映が決定しましたので是非ご覧ください。◆先頃のオリンピック以降、日本を取り巻く環境がきな臭くなってきました。男子サッカーの日韓戦は特殊な事例としても、一般的にオリンピックやワールドカップ、WBCなどを観戦していると普段は意識していなかった自分の中のナショナリズムを感じる人は多いのではないでしょうか? 私は“ナショナリズム”“愛国心”という言葉に、なにか後ろめたいものを感じる世代の人間です。そう感じるような教育を受けたからかもしれません。しかしナショナリズムなしに観戦するオリンピックに、何の面白みがありましょうか? いや、一部には国に関係なく、純粋にスポーツとして競技を鑑賞している人もいるでしょう。しかし自国と他国の選手が競っていれば自国人を応援してしまうのが人情というもの。あぁなんと甘美で罪深いナショナリズムよ。◆「フォークランド諸島はイギリスの領土だ」というサッチャーの台詞に、私の心は穏やかではいられません。対岸の火事とは思えない台詞だからです。イギリス・アルゼンチン両国の兵士の命が失われました。また彼女は、国民に痛みを伴う政策を採ってきた一方で、間違いなく英国の財政を再建しました。さて、今の日本がサッチャーのような人物を首相に戴くことになったら国民はどのような反応をするのでしょうか? 有権者の皆さん、“近いうち”の準備はよろしいでしょうか?
— 関口芳雄 検索
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