スタッフコラム
8・15今だからこそ、戦争について考えよう<
2002/08/01 — 第49号
世界各地で紛争やテロが起きていて、地球上で戦火の絶える日がない。通信技術の発達により、その戦禍がリアルタイムで日常生活の中に飛び込んでくる。これらの紛争も、歳月が経てば、戦場の兵士たち、市民たちの様々な人間ドラマが小説、映画などによって知らされることになる。◆日本が参戦した太平洋戦争を背景にした小説が、戦後ベストセラーとなり映画化された。五味川純平の大河小説『戦争と人間』は、軍と財閥が結託して戦争が拡大し、戦争に呑み込まれていく人間の運命を描き、『人間の條件』は、戦争悪と個人の戦いをドラマチックに描いた。大岡昇平の『野火』は、従軍中の飢えと疲労の極限状態の中で、人間性と神の問題を描き、野間宏の『真空地帯』は、軍隊内の非人間性とその残酷さを暴露した。『雲ながるる果てに』は、学徒航空兵の手記の映画化です。◆今井正監督、鈴木尚之脚本の『海軍特別年少兵』は、国を守るためと信じて疑うことも許されず死んでいった少年兵たちの物語。水木洋子脚本の『また逢う日まで』は、戦争が普通の人間の幸せを無残にも引き裂くことを描いた。◆その今井、水木コンビの『ひめゆりの塔』は、国内唯一の戦場となった沖縄で、勤労奉仕で最前線に駆り出された女学生たちの悲惨な実話を描いた。『東京裁判』は、米政府によって撮影された50万フィートにも及ぶ極東軍事裁判の記録を小林正樹監督が4時間37分に構成した日本の歴史、映画備忘録的価値の映画です。◆エンターテイメントとしても超一級品で、次世代に受け継がれて欲しい日本を代表する映画ばかりです。終戦の日のこの時期に、楽しみながら、「有事法制」が国会で審議中の“今”の社会状況と照らし合わせて、“戦争”について考えよう。
— 永田稔 検索
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