スタッフコラム
続・虚構の世界を創ること
2006/08/01 — 第145号
裏切り者を追ってひとりジャングルに迷い込んだ主人公。偶然出会った男がサーフボード(ジャングルですが)を何故か2枚持っている。1枚くれるというので受け取ると、突然津波(ここはジャングルです)が襲ってくる。幸運にもサーフボードを持っていた主人公は、大波に乗って崖っぷち(ジャングルのそばにあったんでしょう)に近づくと、幸運は重なるもので探していた裏切り者をそこで発見する…。■小学生でも思いつかない、ひたすら偶然に頼った展開ですが、10年前にこんな映画が公開されているのです。この近未来アクション映画はツッコミどころ満載の映画なのですが、最近でもまだ上映する映画館があるほどの人気です。それはその世界の神=脚本・監督を敬愛し支持するするファンが多いということなのでしょう。■前回のこの稿で、映画の脚本家について「多くの登場人物をチェスの駒のように自由に配置し好きなように動かせるというのは、神になったような気分なのではないでしょうか」と書きました。脚本家に限らず、物語を作るということはとりもなおさず人間、のみならず世界=宇宙を自由に動かせるということです。自由となると、人は意地悪です。世界が終始ハッピーな物語というのは面白くない。主人公には必ず試練が与えられます。公園の砂場でトンネルを作った男の子が、最後に怪獣人形を登場させるように…。■旧約聖書「創世記」では、人間は天地創造の6日目に神が自らの姿に似せ土から創造されたといっています。つまり人間(アダム=男性)の外見は神様に似ているというわけです。でも外見だけでしょうか? 日々のニュースを目にするにつけ、本当の神様もハッピーはお好きではないように思えるのですが。
— 関口芳雄 検索
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