スタッフコラム

元クレージーキャッツの植木等逝く

2007/05/01 — 第163号

3月27日の夜遅く、高校時代の友人からの携帯電話のメールで、元クレージーキャッツの植木等が亡くなったことを知った。つい1週間程前に試写で観た、宮藤官九郎脚本、水田伸生監督の「舞妓Haaaan!!!」(6月公開)という映画の中で、祇園遊びを知り尽くしている老舗の隠居という役で出演していた。往来で主人公と出会い言葉を交わすという僅か1シーンであるが、粋で颯爽としていて、役柄の雰囲気を十分に醸し出し、流石と感動したばっかりだったので驚いた。■半世紀前の高校生だった頃、クレージーが出演している月曜〜金曜日昼の12時50分から10分間のフジTVの生番組「おとなの漫画」を見るため、昼休みに校則を破って校外に脱出して、テレビが見られるラーメン屋、蕎麦屋、甘味処に行く程夢中になった。■4月1日日曜日、その時の仲間の一人からの呼び掛けで、8人が集まり郊外の満開の桜の下で想い出話に花を咲かせた。クレージーのメンバーの中で、ハナ肇派、谷啓派、植木等派と三派に分かれていたが、カッコ良く、ルックスも良く、都会的センスがあり、声が良く、歌が上手い植木等がお気に入りだった。■ラジオから流れる落語、浪曲、歌謡曲、ドラマなどで育った世代にとって、テレビから映像と共に流れる軽やかなジャズのリズムと、スピーディなコントのギャグとを一緒にしたクレージーの笑いは、今までに無く革新的で、衝撃的であった。■「お呼びでない?」のギャグや大ヒット曲「スーダラ節」映画「無責任シリーズ」「日本一シリーズ」で60年代に笑いを振りまいた植木等の死は、昭和を代表する喜劇役者を失ったばかりでなく、昭和の時代を一気に遠ざけた。植木等出演の映画を7月に追悼上映する予定である。乞う!ご期待!

— 永田稔 検索