スタッフコラム

そしてデル・トロはスターになった

2001/07/01 — 第22号

文芸坐の8/18(土)〜24(金)は「トラフィック」「誘拐犯」の上映。そう、ベニチオ・デル・トロの2本立です。◆「トラフィック」は監督・脚色・助演男優・編集と、米アカデミー4部門を受賞した話題作です。アメリカ裏社会とメキシコを結ぶコネクション“トラフィック”をめぐる欲望と陰謀に彩られた実態に、果敢に挑んでいく男たちの社会派ドラマ。キャサリン・ゼタ=ジョーンズという花はあるものの、やはりそこは硬派で骨太の男たちの物語。M・ダグラス、D・クエイド、A・フィニー、……。いやあ、オヤジくさい。◆その中にあって注目すべきは、米・英アカデミー賞、ゴールデングローブ賞、ベルリン映画祭、など本作で名だたる男優賞を軒並み受賞しまくりの、デル・トロ。初めての印象は「ユージュアル・サスペクツ」(それ以前の映画では記憶になし)で、たいそう人相の悪い役者だなぁという感想以外はなかったのに、今やアメリカじゃその名を知らぬ人はいない程の映画スター。読めませんでした。◆さて「ユージュアル…」でオスカー受賞の脚本家C・マックァリーが初監督した映画が「誘拐犯」です。主演はデル・トロ。「ユージュアル…」は抜群に面白いサスペンスでしたが、「誘拐犯」は比較的ストレートなアクション。しかしそこは曲者マックァリー。ただのアクションじゃない。徒歩より遅いカーチェイスやビーチフラッグのような銃撃戦。どうです? 超スローなのにスリル満点のカーチェイス、観たいと思うでしょ?

— 関口芳雄 検索