スタッフコラム

英国ワーキング・クラスの親父たち

2001/07/01 — 第23号

9/1(土)〜7(金)は「リトル・ダンサー」と「シーズンチケット」、英国ワーキング・クラス(労働者階級)の少年を主人公にした笑いと涙の2本立です。◆「リトル・ダンサー」はダンサーを目指す少年の姿を描いた、S・ダルドリー監督の長編デビュー作。価値観の古い炭鉱の男を父親にもつ少年が父との葛藤の中で自分の夢を実現しようとする物語は、昨年公開「遠い空の向こうに」を思い起こさせる(どちらも傑作です)。父親は息子に立ちはだかる壁として登場するが、同時に息子への愛情も大きい。この愛情ゆえにとる父親の行動が泣かせるのだけれど、予告編にもあるスト破りのくだりは何度見ても胸が熱くなる。この映画、2度3度と繰り返し観る人も多いと聞くが、うなずけますなぁ。初見の方もリピーターの方も、どうぞご覧ください。◆「シーズンチケット」は「ブラス」のM・ハーマン監督最新作で、サッカーチーム“ニューカッスル・ユナイテッド”のシーズンチケットを手に入れるために奮闘する少年2人の物語。“遠い昔、父親と出かけたあの日のようにまたサッカーを観にいくんだ……”という想いを教室で語る場面は、ケン・ローチ監督の「ケス」を思い起こさせる(どちらも傑作です)、泣けるシーンなのです。そうなると当然この映画でも“父親”がキーワードになってくるのですが、こっちはただの暴力オヤジ。で、この映画“父親”をとんでもない方法で料理してやや強引ともいえるハッピーエンドを迎えます。どう料理するかは観てのお楽しみ。

— 関口芳雄 検索