スタッフコラム

『阪妻映画祭』で活弁に初挑戦する講談師・神田北陽

2002/05/01 — 第43号

“阪妻”生誕100年を記念して5/18より4週間『阪妻映画祭』を開催いたします。上映作品の中には、昨年ロシアから里帰りした『鍔鳴浪人』前後篇、『狼火は上海に揚る』やGHQから返還されたフィルムを始め、大正時代のサイレント映画からトーキーに移行して剣戟王と謳われた戦前、現代劇にも新境地を開いた戦後と、映画全盛期時代の阪妻主演作品など57本を連続上映いたします。◆イベントには、阪妻の遺児で俳優の田村三兄弟(高廣、正和、亮)の長男、高廣さんの舞台挨拶、映画評論家山根貞男さんのトークショー、サイレント映画には、澤登翠と講談師・神田北陽の活弁付き上映もあります。◆活弁に初挑戦する北陽は、講談界衰退の象徴的出来事であった講談定席「本牧亭」が閉場する日に入門した変わり者です。修行の場を演芸界だけでなく、演劇、音楽など広範囲に求め、旺盛な向上心と好奇心によって現代的感覚を磨きました。自演の新作を創り、リズミカルで歯切れの良い口調と明るい芸風で紀伊国屋ホールをひとりで満員にする人気者です。この夏、抜擢されて師匠の名跡〈神田山陽〉(三代目)を襲名して真打ちに昇進する実力を兼ね備えた芸人です。大衆古典芸能界では将来を嘱望されている一人です。◆お年寄りが大好きな北陽は、80歳を超えていた先代に入門し、今は、96歳の島田正吾にハマっていて、毎年舞台を見ては感激に涙している好男子です。活弁には前々から興味を持ち、老弁士を静岡まで訪ねたこともあり、念願が叶い張り切っています。まずは、『阪妻映画祭』予告篇のナレーションをお聞きください。

— 永田稔 検索